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 いよいよ8月、海外旅行へ行く人も多いのでは。でも、旅にはトラブルも付きもの。中でも気をつけたいのは、財布や携帯電話を狙うスリだ。外国に住み、出張も多い特派員に、体験談を聞いた。

 イタリアの首都ローマの地下鉄では最近、若い女性2人組によるスリが多発しているという。ぐいぐいと体を押しつけ、そのすきにズボンやカバンのポケットから物を盗んでいくとか。ローマ支局長の河原田慎一記者は「目にもとまらぬ早業。私もこの1年半で3回カバンを開けられました」。

 中心駅のテルミニとレプッブリカ、バルベリーニ、スパーニャというA線の4駅の間が特に危険だ。国立劇場やトレビの泉、有名ブランド店などが集まり、観光で使う機会が多い。

 広くアフリカを取材する石原孝記者はジンバブエで、ズボンの前ポケットに入れていた携帯電話を取られそうになった。運良く難を逃れたが、「やめろ」と言っても周りの人は知らんぷりをしていたという。

 ナイジェリアのレストランでは、他にも空席があるのに、なぜか隣に男2人組が着席。「怪しいと思い、バッグを彼らとは逆サイドに置くと、何も注文せずに店の外に出て行きました。バッグ狙いだったとみられます」と石原記者。

 中南米をカバーする岡田玄記者がアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスの地下鉄で遭遇したのは、とんでもないスリ集団。

 夏のある日、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に乗ってきた男が、やおら嘔吐(おうと)を始めた。手にスポーツ飲料を持ち、のみ込むけれど、数十秒すると嘔吐(おうと)するという具合。しかも、車両の端ではなく、乗客がいる方によろけながら吐く。乗客が気を取られているうちに、別の何者かがカバンから物を盗むという手口だった。

 「これは特殊なケースですが、1人が気をそらし、もう1人が盗む手口は他にもあります。たとえば広場などで旅行者にケチャップや絵の具をかけ、別の人が親切を装ってふいてあげる間に、仲間がスリやひったくりをする『ケチャップ強盗』です。今もよく現れると聞きます」

 せっかくの旅行を台無しにされないよう、楽しみながらもスリにはお気を付けて。(構成・神田大介